司書 クララ

　おや、これは。

［かなり擦れてしまっているが、「金狼と░▓▒▓█▓░░▓▒狼の伝承」と書かれていた。口語だけでは心許ないと過去の人々が残していったもの。昔の人は偉大だ。］

　あらやだ。奥にあるはずの本を間違えて表へ持ってきちゃったみたいね。

［いくつかの書物を奥の部屋へ引っ込めているのは、大事なものといいつつ、きっと古くなった書物をこれ以上痛まないようにしているのだろう。クララはそう考えていた。］

　せめて、綴紐だけでも直しておこうかしら。

［そう呟けば、いくつかの本はその場へ置いていた。］