[彼女の部隊が何を任務としているか。決して綺麗なことばかりではないことを、知っている。己の手を汚さずあれど、その影で手を汚している者がいる。二国会戦前の、平穏時。一見そのように思われる裏ですら、こうした部隊が存在した。そうした影に在り続ける彼女を、厭うことはなかった。最初は、哀れみや情もあったのかも知れない。けれど流されながらも流されず、重荷を心に負って真っ直ぐあろうとする姿を…その心を、次第に綺麗だと思っていた。妹のように見ているつもりで、いつしか心は傾きの色を変えている]