シスター フリーデル

　　

　　……二人もご存じの通り、
　　　私には植物を、もっさもっさに育てられる
　　”緑の指”があります。

　　　だから、育っているんだと思います。

　　　なのでもし、”災厄”が起こって、
　　　私に何かあって、この樹が枯れたら。

　　　……今ある研究成果と薬だけでも、
　　　引き継いでほしいんです。


［　ジムゾンの何かできることは？
　　と問うてくれた言葉に。

　　勝手なお願いで、すみません。
　　でも……人狼と人間が共存できることを、
　　そんな楽園は無いと知りながら、それでも。
　　私に種を託してくれた人は、願っていたから。

　　そう告げたなら、二人の反応はどうだったろう。
　　
　　いずれにしても、村の状況を考えれば。　
　　手短に話を切り上げようとして。

　　宿に戻って、手記を他に人達にも見せましょう
　　と言うだろう。］*