[しかしそれも長くは続かない。
案の定、魔力波を感じ取った魔物が遠目に現れ始める。
それも少なくとも一個小隊はありそうな数。
今見える範囲でそのくらいなのだから、下手をするともっと数が居るかも知れない。
腕に覚えがあるとは言え、あの数を2人で対処しきる自信は無い]
っ、 アデル、走れ!!
[咄嗟にアデルの腕を掴み、城から離れる方向へと走り出す。
その遥か後方から、翼持つ猫達に牽かれた戦車がレト達を追いかけた。
戦車の周囲には数多の小鬼達も居る。
ただ逃げるだけでは追いつかれるのも時間の問題。
故に戦車が通れぬだろう木々の合間を抜けてとにかくその場を離れた]