― 氷の橋付近・帝国側 ―
――――…。
[衝突後の戦地は血塗れの匂いで充満していた。
何時嗅いでも成れぬ匂いには目を細める。
微かに焦げた匂いが届くのは、
風向きが向こうにあるのを示していてまた眉根が寄った。
部下から大よその報告を受ければ、頃合だというように。]
兵の死体の収容は済んだな?
これより前進拠点へ帰還する。
公国兵の死体は、帰還後工兵の別隊に任せる。
[待機していた別の部隊に、
穴を掘り纏めて埋葬するよう命じるようにと伝えた。
ただし尉官以上の兵の階級章は補完しておくようにとも。
今回の戦闘では、そう居なかったようだったが。]