― 回想・パン屋前 ―[物色の傍ら、恐らくは香ばしい香りを運ぶ煙突を見る。その頃の釜蔵ではパンでも焼かれている時分だったか>>469]………[鍔を下げた男の方へと窓から視線が飛ぶ>>485。ぴたり。足を止めて窓に佇んだ青年を一瞥するがそれはほんの暫くだけ。そうして浅く息を吐き、再び気向く侭に足を進める]ミニカンパーニャを土産にしたい所ではあるが[喪に服した男は雨の匂いに紛れて夕闇の中に消える。残念なことに、支払う金も受け取る手も無かった*]