[本音と建て前と駆け引きとが目まぐるしく入れ替わる会話の中でわかったのは、フィオンが有能な騎士で指揮官で、かつ部下に恐れられる存在であるということだ。
どよめく騎士たち>>626の様子に、怖い怖いと内心零す。
部隊を引くことの了承を得て、
それまでの安全保障を求められれば、
周囲の者らに指示を出した。
十数人ほどが集団を離れ、大通り沿いに走っていく。
中央広場に向かった別の一隊は群衆に割って入るようにして、
もう十分だ、武器を置けと叫びながら
未だ取り残されている王府の兵らの退却路を作った。
それらの動きは、十分に訓練された兵と比べても遜色ない。
騎士の目からも、それは見て取れるだろう。]