[……そして、少々の思案の後] 一つ、問いかけをしていいかな。[と、口を開く。そして、自身の胸の前へと、何かを支え持つように片手を差し出し――…] ここには“在る”と思う?“ない”と思う?[森を駆けるもの、自然とともにあるもの、森の前で会ったからだろうか、男は猟犬の子にそんな印象を抱いている。ならば小難しい理屈で固めるよりも、本能あるいは感覚による魔術の方が相応しいのではないかと――…ダーフィトとは別のアプローチを試みてみたのだった]