― 砂漠の町 ―[撥ね退けられる手。紡がれる拒絶>>597血を吐くかのように悲痛に叫ばれた言葉は、紛れもない、彼自身のものだった。友の言葉だと、そう思った。だからこそ───若草の双眸に、怒りがともった。”黒幕”とやらに向けるものではない。目前の、今ここにいる男へ向けるものだ]