人狼物語−薔薇の下国

389 ルー・ガルー戦記 8 〜海峡攻防戦〜


モルトガット皇帝  アレク トール

[シコンの港を出る時、岸壁の上から手を振っている子供の姿が見えた。
いつもそうして船を見送っているのかもしれない。
ファミルが守った日常風景だ。

双眼鏡を目に当てて見れば、10歳にはなっていないだろう年頃の少年と少女だった。
それと認識して、胸にチクリとした痛みが蘇る。

あれは15年ほど前、オルヴァル滅亡の後。
当時9歳になったばかりの皇太孫アレクトールの前に、ほんのわずかな時間だけ存在した金髪の少女。
名は、ミリエル・クラリスといった──]

(637) 2015/11/05(Thu) 22:00:09

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