― 魔王城・外 ―[貴婦人の息吹が炎の精霊を包む>>606も、その揺らめきを散らすには至らず。鍔迫り合いの如き力の拮抗が眼前で繰り広げられた]ちぃっ![己を包んだ氷雪を振り払おうと精霊が暴れ出す。無造作に振られた炎の腕がレトの眼前へと迫り、咄嗟に身を捻ることで直撃を避けた。掠めた頬が灼熱と極寒を感じ取る]せいっ!![レトの頭上から振り下ろされた二撃目は、オーラの壁を精霊の腕に添えることで受け流した]