クレーデル、 頼む。[ジークムントを抱え上げて馬の背に預けると、自らは黒狼に変じた。クレーデルはもうこの姿に慣れているから、獣の匂いにも暴れることはない。そのまま、クレーデルがやってきた方へと並んで駆ければ、そう遠くない林の間に、二人の姿を見つけた。曲芸めいたマカブルを踊っている一方は探していた相手《オズワルド》。もう片方も知らぬ顔ではない。蒼い死の毒娘《エレオノーレ》。]