― 記憶の書庫 ― ――く、ぁ…[欠伸を噛み殺しながら目を開いた金貨の目に、真っ先に飛び込んだのは真っ黒い大きな双頭犬の眠る姿。] …………育っ…た?[肩の重みに視線を向ければ、探し人だった聖職者の眠る姿があり……となれば、真っ先に思いつくのは聖職者と共にいた仔犬の姿で。] 魔界の生き物って成長早いんですねぇ[故にこの勘違いは、親犬の毛皮に潜り込んでいた仔犬が抗議の声をあげるまで続くのだった*]