[ フェンリルを倒すべく、皆で戦った際の
ガルー達の勇姿を思い出す。
そこには人も狼も関係なく、共に一つの目的の為。
持ちうるもの全てを注いだあの時。
僕は全力を出していなかった。
いや、出せなかった。
──自らが戦うことにより
“完全なガルー”へと進化することが怖くて。
しかし、彼らの姿を見ていると──……
船の為に皆で戦い、力を合わせた記憶は
仮想現実と一括りにして良いものか。
当時、
人間も人狼も、同じこころを持った生命体であることは
僕自身がよく知っている>>6:194。
近い未来、この身が完全なガルーと化す時が来るならば。
死すべきか、それとも生き続けるべきか。
──自我を保つことが出来れば、心を喪わなければ
僕は、生きても良いのだろうか?]