― それから少し後 ―
「あ、アルビンさん。おはようございます。」
………
[二度あることはなんとやら>>474、少しは身構えていたもので、今度は驚かずに済んだものの、それでスムーズに応対できる程器用なわけではなく。
軽い会釈を一つ、挨拶代わりにしておいた。
宿へと挨拶に向かった際、たまたま彼がいたというケースでの遭遇が、彼への印象の大半を占めている。
何らかのドジは目撃する事で、何かを絵を書いているということは又聞きで、彼のことは知ってはいるものの……だからどうと言うわけでもなく。]
…え、ええ……
[一昨年の話をされると、事実ではあるので相槌は打つ。
そして、労われてしまうと、何も言えなくなってしまった。
……いや、何も言えなくなることが、申し訳なくなってしまい、それによって更に何も言えなくなったと、言ったほうが正しいだろうか。]