【見】 楽天家 ゲルト

[ コクーンを出てからはパーティー会場を回り、
　夢の中で会ったことがある人を見かければ
　声を掛けて　会話を交わした。

　一通りの挨拶と会話を済ませる頃には
　亜空間からのジャンプアウトのアナウンスが
　聞こえてきた。　　　　　　　　　　　　　　]

今度こそル・ウルタールか。
訪れるのは初めてだな。

[ そっと瞳を閉じて、
　狼月の村で過ごしたもう一人の自分に想いを馳せる]

既に僕の中には、あの村で過ごした君は居ないけれど、
君が……いや、君達が世界を見て廻るように、
僕もこれから色んな星を巡るのも悪くないかもしれないね。

[ 村の彼が生前叶わなかった外の世界を見るという願い、
　それは死後叶えることが出来たけれど、
　もう一人の彼でもある僕もその一助を出来れば――
　そんな想いを胸に、
　窓から見えるル・ウルタールを見据えた。　*]