数度の戦場を経た後に配属された部隊。新しい上官の顔に見覚えがあった。ソマリ・イェーガー。……ソマリは相変わらずソマリのままで。腹が立つくらい、彼だった。きっと彼にも様々な事があったに違いないのに。彼の抱える闇も。彼の抱えるやわらかな望みも。――…それを踏むことは、ついにできなくて。俺は今も軍にいる。帝国の誰かを傷つけることなく。少しずつ我が身を食いながら、……戦場での日々をやり過ごして。どうにか、いつもの顔をする。