そうだったか…。
エレン、君は守ろう、と前のめりになるのに、
助けてほしい、と言うのは下手だな…。
[苦笑した。間違いなく引き留めたろう。
だって、逃げ出したくなるその場所に、帰ろうと言うのだから。
守るため、と言われたなら、間違いなく引き留めたろう。
“仲間”を守りたいと思うのは、当たり前で、それはお互いさまだから。]
――いいんだよ、エレン。
他の奴らは知らないけど―いいんだよ。
君はまだ子供だったのに、そうやって責任を負う必要はない。
守れなかったのは、きっとお互いさまだ。
[ワタシが言い切っていい話じゃないだろうけどね、と付け足して。
君がワタシたちを守れなかったのならね、エレン。
ワタシたちも知らなかったとはいえ、守れなかったんだよ、エレン。
愛情を持った相手が、死にに行くようなものなのに、引き留めないことなどあるだろうか。
――だけど、××だったらどうしよう、という気持ちを理解できないわけじゃない。無条件に信じるのは、少し難しい。]