― →魔王の城付近 ―[馬を走らせ前を見ながら、背後に居る男の動きは、声と振動から伝わった。感じた熱波は一瞬で離れ、乾いた音が骨檻を砕くのを知り、その腕の良さを改めて感じる。軍馬の脚が止まらず駆ける事が出来たのは、無論背後の援護があったからこそだ。]……助かった。[礼のような、事実のような、微妙な言葉をぽつと落とし。馬を走らせたどり着いた先、眼前には巨大な城が聳え立っていた。]