[どうしたらいいのかわからずに、目を伏せる。
壊れ物のように、そっと、指に嵌めた魔石にふれた。]
(……俺は、もう、殆ど菓子を口にすることもなくなったよ)
(口にするのは一掴みの砂糖と、馬乳。それに酒。そのくらいのものだ)
(草原の生活は――俺が子供であった昔より、更にずっと厳しくてな。なかなか嗜好品も手に入らない)
(たぶん、痩せてはいない、と思う。……大丈夫。少し体質が変わった気がする)
(……お前は、少し頬が削げたかな。…だが、あんな真似をするから、碌に顔を見られなかった)
(なあ、ダーフィ)
(俺は、……俺は、もう…――)