― 塔の正面 ―
にゃろ、もう帰って来たかぃ。
ここで戦線組み直して――って!
おいッこるぁあっ!
シロウ! 戻すとか要らんことするんじゃないの!
――あぁもう!
あんたたちは残った敵を散らせたら離脱しなッ!
あたしはシロウを止めて来る!
[時間そのものはたいして経っていないのだろうけど、激戦を経て再会した男――そのシロウに顔を綻ばせる間もなく行ってしまった。
説得しようとしても立ち止まって聞いてくれそうもなかったので、手下に掃討と離脱を任せ、彼女は砂まみれの姿で追いかけて走りだした]