― 夜・203号室 ―
[談話室の話の行方は、皆の反応はどうだったろうか。
その日の夕飯の味はよくわからなかった。
気になっているのは小さな少女のこと。]
――リーザは、大丈夫だろうか。
[さきほど彼女の部屋に行って、戸締りはしっかりしているか、扉が開いているようなら彼女がちゃんと寝ているかを確認してきた。
それでも、不安は募るばかり。]
パメラのことは、まだ人狼のせいだと、決まったわけじゃない。
[自分に言い聞かせてみたものの、不安を拭い去ることはできなかった。
昨日までのささやかな、でもあったかな小さな幸せが。
あの、最果ての村で起きた人狼騒動のときのように指の間からどんどん零れていきそうで……。]