― 帝国拠点到着後すぐ ―
[ >>611
まさか反応があるとは思わず、聞き漏らしそうになったが
確かに彼女の小さな声が耳に入った。
――カサンドラだから守るのか。それとも、任務だから守るのか。
その問いには任務以外の何でもない、と答えるが。
”主席代理”ではなく、”カサンドラ”と呼んでしまったのは
何故なのか、ふと、自問自答する。
カサンドラに抱いていた恋心はもはや遠い記憶、
淡い思い出ではあるが、それ以上の感情はもはやない。
そういった感情は一生分すべて、ユーリエに捧げてしまった。
そして、ユーリエが持って行ってしまった。
もう手の届かないところに。 ]