………。[何を言っているのかわからず、ただ、ぽかんとしたまま指輪を眺める。 やがて、本当に彼が本格的にレシピを話しはじめたところで、気が抜けたように、寝台に転がった。 木の台の上に藁で形作った簡素な其れが、ぎしり、と軋む。 その音は、向こう側に聞こえただろうか―― わからない。 ただ。 ……砂が水を吸うように、その声を貪る。 ぼんやりと、穏やかな懐かしい響きに耳を澄ませる]