…失礼したな、ウェントスの若者よ。
[名は知れぬが、南の山岳に住まう古き民、実際に会うのは始めてなその者を眺める]
(古代の森に住まう者達は、総じて筋に恵まれた体躯をしてるが。
…随分と華奢な若者だな。男としては)
私はソマリと云う。王国からは北の領地のひとつを任されている身だ。
武器を手にしたその出で立ち。暴徒の類かと早合点した様だな。
ならば君は、一般的なシュビトの街人で、我等ナミュールに住まう者、という訳か。
[然し、今後この青年がどの風向きに身を置くかと云う想像は、街の場所、青年の出自、何を探しても想像の材料に不足はなかった]