[その一方で――物憂げに公国の方を見やる。はたからは、やはり女だ、という目で見られただろうか](ジャン……。 最前線に来たら、傭兵の迎えをよこすといっていたが……一体いつなのだ? 1度も給料をもらわずして公国が滅んでも知らないぞ)[猫《カッツェ》の報告に、返事が帰ってきたことは滅多にない。直接シュヴァルベの下宿で会うのが常だった。 最後に返事があったのは――開戦後1度だけ。「定時報告を続けよ。 最前線に出立する時は連絡をよこせ。傭兵の迎えをよこす」**]