― そして、底冷えする夜の中で ―
[ぽちゃん、という魚が跳ねたかのような音とともに、紙の球は投石器で川に投げ込まれるも――
すぐに氷の魔力放射が始まり、氷の柱が形成されてゆく。
カサンドラは、計器を持って、魔力の放出が止るのを待ち――、それが終われば、橋を遮るように水平に上げていた手を下げ、出撃部隊長に頷いた]
[五人ほど並んでも渡れるほどの氷の大橋から放出される冷気すらも。
戦場の熱気の前では兵の足を止めることはできない]
イェーガー隊長、武運を。
[そして、出撃してゆく彼と、彼の部下を、敬礼で見送った]