だが、石の利用にはデメリットもある。
まず、容量が小さい。大きな石は滅多に採れないからな。
次に、石の微細加工が非常に困難な為、精密な魔法効果は期待できないということだ。
今でも、光を精密に制御する場合は、手製の魔法陣を用い、技師が必要になるようにな。
そこで、ここ数年私は、「紙」に魔法陣を、魔力の籠る特殊なインクで版画で描くという方法の研究をしていてな。
今回持ちこんだ張りボテの球は、全く同じ量の魔力を込めた魔法陣を千重ねた紙でできている。もちろん、外部刺激から守る為に、今は真鍮のカバーを用意しているが――発動条件は、水に濡らすこと、だ。