―――…はい、それでもヒトにのみ許された性かと。[大気から力を汲み上げる術を生まれながらに知る種の同意。生れ落ちて以降、精霊が更なる力を得ることは希少。余程の大望がなければ、分を弁える。―――稀に、己のように、目的を以って、資質以上の才を強引に開花させることも在るが、己の向上を知らぬ妻には、濁すように答えを返した。>>568そうして、凄惨さを思わせる施設から視線を外す彼女に気付き、そっと背中を撫で下ろし、気を惹くように額へ落とすキス。]