― 補完:公国前進拠点・会議室 ―
異を唱える理由は此方にはない。
伏兵の任、俺の右側は中尉に任せたい。
[物問うような自分の視線へのクロイツの反応は、ごく自然なものだった。>>504
不思議そうな顔に、別人か、と口中で呟いてから、首を振る。]
ああ、済まない。
少し、知人に似ていると思った。
[自分は、ヒンメルの眼鏡を取った顔を知らない。
顔の印象にはパーツが重要なのだとは分かっていても、実際に見比べてみなければ確証は持てないものだ。]
ひょっとしたらもう――何人もに同じ事を問われてうんざりしているかも知れないが。
エルンスト・ヒンメルという男だ。