「…でも今となっては、私もお父様の有用な切り札。 私も今暫くは、駒のままでおりましょう。」[ふっと息をつくと、私兵は老いた母親と乳母を取り囲むようにして、用意していた馬車へと連行する。その二人に向かって、娘は淑女の礼を深々と取った。]「ではそういう事で… さようなら、お母様。」[――それから暫くの後、アレイゼルからの打診と娘の後押しにより、オルヴァル家は正式にアレイゼル側に組する事を宣言する**]