[何人によって教会へと向かったのか。
相変わらずの吹雪の中、雪は冷たさよりも痛さを運んでくる。
四方が見えたほうがいいだろうと、顔を晒す状態だった男だったのだが、冷えによる古傷の痛みに耐えられず、ついには防寒外套のフードをすっぽりと被る。
平常時でさえ村の中を歩き回ろうとしない…村に住んでいるくせに土地勘皆無の男は、視界が狭まった事により方向の特定が困難になってしまった。
方向がわかりにくいのならば…と、前を歩くヤコブの背>>571を目印に、歩を進める事となるだろう。
天候の悪化か地吹雪か、さらなる視界の悪化があったなら――…
教会へ向かった者達は、簡単に逸れてしまうかもしれない。]