「私、お母様には怒っておりますのよ? 愛情の欠片も与えてくれない人との望まぬ結婚は、 お母様にとってどれだけ苦痛な事だったか… お母様の境遇には同情しております。 けれどその為に、自分が産んだ子の人生を狂わせるのは、 いささか間違っているのではありませんか?」[一見にこやかなまま、だがその内に積年の怒りを蓄えた娘は吐き出すように母親を糾弾する。]「私も兄さんも駒ではありません。」