[シモンが視線をそらすのを見て、彼も異国者なのだろうかと思うにとどまった。軍人として心臓を捧げた彼の国も、同じく十字を切るのを厭うていたなと思いつつ] 随分と愛想のないやつだなあ。 せっかくの男前がもったいないぞ。[ははは、と、本気か冗談かわからないことを口にし笑う。もちろん本気100%ですが] 大丈夫に決まっているだろう。 食えないものを出したりしないぞ。[ディーターの軽口には肘打ちしつつ返して、卓上に並べられたパウンドケーキを一つつまむと口の中へ放り込んだ]