[しかしヤコブの姿を見つけた途端、反射的に目を伏せた。] えーっと。 い、一応、てててんきが崩れる前に、宿屋には、ついた、よ?[言い訳がましい台詞を、いつになくごにょごにょした口調で呟く。しかし赤く染まった頬は隠しようがない。一度外に出れば、鎖が切れて脱走した犬のようにそこらをふらふらする癖は、どうしても治せない。治らない。]