旅人 ニコラス

― 寄り道・パン屋『ハティ』 ―

[船が流されたことを発見した経緯を伝えた途端、オットーはまず訝しげに、困惑した様子>>572を見せた。
突然言われたらそんな反応になるだろうなと見つめていると、次第に顔色が悪くなっていく>>575。

パン屋の店主の真意には全く気づけず、言われた言葉をそのまま受け取って頷いた。]

そうですね。僕も全く同じことを感じました。
なんだか誰かの意思によって、僕たちは村に閉じ込められたっていうか。そんな気がして。

――自分でも変な考えだなって思うんですけど。

[オットーが忌憚ない考えを伝えてくれたと思い込んでいるから、素直に思ったままを口にできる。]