【見】 イベントコンシェルジュ ルージュ

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銀繭の『コクーン』に横たわり、その蓋に刻印された羊とともに夢を見る。
さなか、ロゼータ博士のスピーチが印象に残っていたことを思い返す。

私と同郷の人。ル・ウルタールの出身者。
同じ星の、国の人でも、私とはまったく立場が異なる、やんごとなき血筋のお方。

それでも彼女はそんな出自を振りかざすことなく、等しく平等に『ゼラト・ゲームズ』の面々と接してきていた。

彼女は直接の開発者ではないが、それでも無事にこの場を迎えられたことに少なくない思いを胸にしていることだろう。
代表たるゼラト氏が不在のため、彼女の口上が事実上のパーティの始まりと呼んで差し支えない……少なくとも自分には、そう思えた。
同郷の贔屓目であろうとは思うけれど。

そんな瞬間の私情をさておき、これから自分は村の中においても現職に相応する立場として振る舞う予定だ。
『狼月の村』は遠い昔の水の星の夢のよう。
けれどその夢は明確な目的のある人造の夢。
そのテストである自覚を忘れずに振る舞うこと。

これが成功すれば、今度こそ全宇宙にこの夢は広がっていく。
その第一歩が今日なのだ。
直接の作り手ではなくても、このゲームを大切に思う心は同じだった。
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