―コンラートの部屋―[少しくらい気が楽になったとは言えども、今テーブルを挟んで語らうのは、主よりも永い時を生きている存在。やはり緊張は拭い去れない。目の前に置かれた器に視線を落としたまま、まず何と言いながら届け物を出せば良いかを考えていた。]―――…あ、あの方、の事ですか?[不意に主の話が振られ、>>577思わず顔を上げる。その瞬間に頭の中で組み立てていた言葉は全て崩れたが、代わりの文字が次から次へと形を成して行った。]