人狼物語−薔薇の下国

263 修学旅行試験


高殿 幸久 フェリクス

 紫式部かくやの54帖は期待されて居ないだろうが、俺は気になる。
 ―――…確り走り書きまで取っていたじゃないか。

[彼女の隣へ戻るなり口を開く兄の興味は、一週回っても削げず。
冷え始めた夜には、淹れたての茶が五臓六腑に染みた。
その間に彼女の言葉をもう一度脳内で反芻するも、
拝読に対する否の言葉は見つからず終い。
沈黙とは即ち肯定、世界は都合よく出来ている。>>559]

 では、提出がてら後学の為に拝見させてくれ。
 
[嫁入り果たした出汁巻をひょいと胃袋に迎えて、手を合わせた。
ご馳走様、と傍らの彼女に告げて、立ち上がり際にレポート奪取。
ひらりと彼女の視界の端を泳ぎ、兄が回収。>>569]

 ほら、琉璃もおいで。
 赤ペンなんて持ち歩いていない、添削は口頭だ。

[白々しい言葉と笑みで妹を誘い、攫ったレポートが閃く。
そうして夕食を済ませた双子は、何時もの調子で広間を後に。*]

(590) 2014/10/20(Mon) 22:59:04

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