[ざらざらと口にしていた錠剤。
“個人的な我儘”と、覚悟の透ける瞳。
自分も戦場に関わりあるかのような言葉>>0:436
少年の頃の、山分けした苺と共にある笑顔>>0:534
身の上話や、絵本を語る声>>0:536
“笑ってほしいな”と思ってくれていたことも、
倒れた彼に泣く少女に、言ってくれた
“――… ごめんね”>>537も知りえぬまま。
ふと、海賊船で聞いた、
彼が入っていたという木箱の文字を思い出す。>>0:353
『ヘルヘイムより、死者の爪を』。
ぎり、ときつく噛み締めた唇からは、血の味が滲んだ。*]