[赤の亜神が倒れ、宝玉が転がり落ちて。
この世界での脅威が全て去った瞬間のこと。
最初に大きな動きを見せたのは、またしても賊であった。
自身の王が見る夢のために無力なセルベシアの民を率いることを選び、脅威をひとつ討ち取ったばかりなのに――]
さぁあれがおたからよ!
一つ残らずまとめてかっぱぐよっ!
『ヒャッハー!』
[操られていたときの自分を否定しなかった名残なのか、宝玉を奪い取るチャンスだと感じると、この世界のおたからをいただくという一番最初の衝動に立ち戻った。
率いていた民は視界の陰で知らず姿を消し、賊としての手下が飛び出した。
傍らにイルマがいて何か止めようとしても振り切り、モヒカンと釘バットの集団を率いて飛び出しかけたのだが――]