[息を継ぐ間にも、喉元まで這い上がろうとする懼れが、すっと溶け消えていく。兄妹よく似た欠点、それさえ満たしてくれるのは唯一人だと柔らかく唇が綻んだ] ……それでも。 あたしを選んで、この先もずっと。[長年妹を甘やかし、庇護してくれた温かな手。それだけでは未だ足りないと、彼に両手を差し伸べる。抱き寄せて、抱き締められる腕を真っ直ぐに求めて]