ここは、水に関連した土地らしい。
ってことは、唱えるのは俺か……。
[先程奪われそうになったスマホを確認しながら。>>581
写真元のメールを消される前に取り戻せたのは幸か不幸か。
それはさておき。短い呪文とはいえ、人目のあるところで唱えるのは羞恥心が勝る。
すでに男同士で寄り添って歩いてる辺りで、時はすでに遅しなのかもしれないが。
手水舎で手と口を清め。
片手が塞がっている炉には、柄杓で汲んだ水を差し出してやり。
潤った口元に張りつきそうになる視線を、懸命に剥がす。
御神木と厄除桃の辺りが空いていたので、そこで足を止めた。]