[羊皮紙から顔を上げてディークを一瞥し、もう一度書面に目を落とす。再度、ディークに視線を合わせた時には、瞳から表情を消していた。───もっとも、もともと乏しい表情ではあったが。] ひとつ問う。 コンラート殿は、他に何も言っていなかったか。[書状を渡すこと以外の目的があるのではないか。ごく真っ当に、裏を勘ぐっていた。]