[Program Sleeping Silver Sheep、
そうして、シルとヴォルヴァの一件についても、事情を聞くことは出来ただろうか。
白猫を抱き上げて、説明を聞きながら、
はじめのうちはふんふんと、頷きながら説明を聞いていたのだが、
もし仮に全容を聞くことが出来たとしても、
幾重にも層を成した仮想現実なんて、この頭の理解力を
完全にぽーんと越えてしまっているものだから、
ぷすぷすと煙を吹きながら、そーか…ええと、としばし首をひねって]
よし、事情は全部!
わからなかった!!
一個だけ答えてくれ、つまり、
みんな生きてるか死んでるか、それだけ!!!
[そうして皆の生存が知れたなら――…
“人狼”と判定された三名の冷凍睡眠のくだりには、また、ぐっと複雑な顔にはなってしまったけれど――…
会話を続ける余裕も無かったが、
事態が急を告げる少し前に、
ドロシーと交わしたことばを、思い出す
皆生きている、そのことに今度こそ足の力が抜けそうになって、
手近なコクーンの殻に手をついて、白猫を床へと逃がした。]