っ く
[巫女姫を狙えば当然こちらへの層が厚くなる。
その分後ろは薄くなっただろうかと期待したがもう振り返る余裕すらない。
前しか見ずに、ただひたすらに、
今は眩しい光に焼かれるようにただひたすらにそこを目指して駆け抜ける。]
っぁ ――――――!!
[何十もの剣の壁が行く手を阻み、腕を足を馬を掠めて血が流れる。
途中で馬が悲鳴をあげ崩れ落ちるが、それでもなおそこから飛び巫女姫の前を目指した。
重兵と一緒になって逃げれば、逃げ切れたかもしれない。
こんなになってまで巫女姫の前を目指す必要もなかったはずだ。
それでも、なお足は彼女の元へと歩を進め―――。]