コンラート殿よりの書状、確かに拝受した。[差し出された羊皮紙を受け取りながら、相手を観察する。今は残念なことになっているとはいえ、軍服姿が様になっていた。武器を握ったことのある手だ、と思う。マスター・コンラートに引き取られた仔。名はディーク。白い蝶とともに城館内を歩いている姿が、よく目撃されている。頭の中に情報を呼び出しながら書状の封を切る。ずっと蝶が同行しているというのは、監視なのか過保護なのか───などという思いは、書面を一読して途切れた。]