[随分とその時点で、声のみでも激昂の程が伝わろう。
然し、相変わらず声を荒げず、誰にも聴こえない声量で何かを喋るミストの声に噛み付き]
――俺は、好きでこんな事してるんじゃないっ!!
元はと云えば、大体お前の所為だろう!!
もう、絶対にゆるさねえ!
お前なんか……絶対に!!
[ばたばた… …… … バ ア ア ン ! !
盛大に響き渡る、乱暴な扉の閉め方は、宿屋の2F3F程度なら、軽く騒音として届いたろう。
何事かと3Fの階段をあがる者が存在しても、その頃の三階の床では既に、誰も姿も見られなくなっていた。
302号室の前には。まるで乱暴においてかれたか。
或いは、絶対に誰も入らない為の、見張りだ!といわんばかりの様相で
みにぺた君が、扉の前を護っていた**]