― 6年前・春 ―[卒業してリエヴル一人を残すことについて、実は心配していることがあった。リエヴルは本当に怖がりで、夜に誰かが扉をノックでもした日にはそれとわかるほど怯えていた。そんな夜は、一緒に温かい紅茶を飲んだりしてまた安心して眠れるまで起きていたのだが。自分がいなくなった部屋でどうして暮らしているのだろう。それもあったから、様子を見に来たいという理由もあったのだ]