― クリーク砦・少し前 ― カーク、いるな。……先程の話だが、 無理に一騎打ちはしなくていい。…が。 あれを掻き回して帰って来ることは出来るか。[火矢を放つより少し前、男は影に退いた青年に話しかけている。あれ。と、示すのは、じわじわと寄せ来る歩兵であった。頭上より飛来する矢にもめげず、彼らは距離を次第に詰めつつある。それを示して、男はカークに問い掛けた。]